iPad Proをご存じでしょうか。日本のタブレット市場で一番人気のiPadシリーズの中でも、一番スペックが高い製品です。iPadシリーズは大きく4種類ありますが、iPad Proは画面サイズが一番大きく、11インチもしくは12.9インチという大きさです。
タブレットで11インチ以上となると、もはや小さいノートパソコンと同じくらいですから、iPad Proは、タブレット利用に加えて、持ち運びできるノートパソコンの代わりの用途で使うことも想定されています。
ノートパソコンの代わりにiPad Proを使うのでしたら、Apple から提供しているSmart KeyboardやApple Pencilはほぼ必須と言えます。そして、外出先でデータ通信ができれば、タブレット利用に加えて使い勝手のよいモバイルノートパソコンに早変わりします。
そんな便利に使えるiPad Proにも弱点があります。iPadやiPad Airなど他のiPad シリーズより製品の値段が高く、周辺機器まで購入したら、パソコンと同じ位の金額になってしまいますから、データ通信など、本体代金以外の維持費を抑えることができたら、非常に便利ですよね。
そこで、iPad Proを外出先でもデータ通信を行う方法と、格安SIMを活用し、維持費を抑えてインターネット通信をする方法を紹介します。
iPad Proを格安SIMで使うための条件や注意点
「Wi-Fiモデル」ではなく「セルラーモデル」のiPadであること
iPad Proを初めてとしたiPad シリーズには、「Wi-Fiモデル」と「セルラーモデル」の2種類が販売されています。まずは2種類の違いを紹介します。
Wi-Fiモデルは、その名の通り、Wi-Fiを使ってデータ通信を行います。SIMカードスロットがありませんから、外に持ち出すことは想定しておらず、主に家の中などインターネット通信が充実している場所で利用することを想定しています。
一方「セルラーモデル」(Wi-Fi+Cellularモデル)は、Wi-Fiはもちろんのこと、SIMカードスロットにSIMカードを挿入すればWi-Fiが利用できない場所でもインターネット通信が可能です。
Wi-Fiなどがない外出先でiPad Proでデータ通信をしたければ、「セルラーモデル」を購入しましょう。
契約する回線種類によっては事前にSIMロック解除をする必要がある
「セルラーモデル」のiPad Proを格安SIMで運用したい場合は、購入した大手キャリアによって、格安SIMで利用できるかどうかが変わります。
大手キャリアが販売している「セルラーモデル」はSIMロックがかかっています。SIMロックとは、他キャリアのSIMカードを挿しても利用できないという制限のことです。例えば auショップで購入した「セルラーモデル」のiPad Proは、そのままでは SoftBank回線や Docomo回線で使えません。
格安SIMは、大手キャリアの回線を間借りして運用していますから、利用したい格安SIM会社の回線と異なる場合は、あらかじめSIMロックを解除しておく必要があります。どの格安SIMを利用するか決まっていない場合は、SIMロック解除をしておくか、Apple Storeや家電量販店などのSIMフリー版「セルラーモデル」を購入することをおすすめします。
契約予定の格安SIMで動作確認が取れているかを必ずチェックする
格安SIMの中には、利用したいiPad Proの動作確認が取れていない場合があります。動作確認が取れているかどうかは格安SIM会社のホームページで確認できるため、格安SIMを契約する前に必ず確認しておく必要があります。
iPad Proの動作確認でチェックするポイントは2点あります。1点目は、iPad Proの大きさおよびバージョンです。大きさは、インチ数と世代(もしくは年代)で表示されます。例えば、「9.7インチ」iPad Proや「11インチ」iPad Proとホームページに記載されます。
バージョンについては、「第3世代」や「5th」という表記、もしくは2017年発売と記載されます。注意点は、9.7インチiPad Proなど、大きさだけで判断できる場合は、バージョン表記をしない場合があります。その他各会社によって、表記の仕方が異なる場合がありますので注意が必要です。
もう1つのチェックポイントはiOS(iPadOS)のバージョンです。iOS(iPadOS)のバージョンによって、利用できない場合があります。一般的には、古いバージョンのOSに対応しなくなることが多いですから、バージョンアップは行っておいた方が安心です。
SIMカードサイズはiPad Proに対応している「nanoSIM」を選ぶ
iPad Proのセルラーモデルに搭載できるSIMカードの大きさは、nanoSIMのみです。そのため、格安SIMを利用したい場合は、一番小さいnanoSIMを契約する必要があります。
なお、注文時に誤ってnanoSIM以外のSIM(microSIMや通常サイズのSIM)で契約してしまうと、SIMカードの交換手数料が発生することがほとんどですから、無駄な出費を避けるためにも、注文前に念のため確認しておくことをおすすめします。
SIMカードの種類は音声通話SIMではなくデータSIMを選ぶ
最後に、iPad Proで格安SIMを利用する場合は、「データSIM」で契約します。データSIMの正式名称は各格安SIM会社によって異なりますが、音声通話ができないSIMカードなら問題ありません。
正確には、音声通話SIMでも利用できるのですが、iPad Proでは電話機能がありませんから、音声通話SIMを契約してもデータ通信しかできません。一般的には、音声通話SIMの方がデータSIMより基本料金が高いため、誤って契約してしまうともったいないです。
iPad Proを使うのにおすすめの格安SIMを紹介
【BIGLOBEモバイル】エンタメフリーでYouTube、U-NEXT、AbemaTV等が使い放題
プラン | 音声SIM | データSIM +SMS | データSIM |
タイプD タイプA | タイプD タイプA | タイプD |
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1GB | 980円 税込1,078円 | - | - |
3GB | 1,200円 税込1,320円 | 1,020円 税込1,122円 | 900円 税込990円 |
6GB | 1,700円 税込1,870円 | 1,570円 税込1,727円 | 1,450円 税込1,595円 |
12GB | 3,400円 税込3,740円 | 2,820円 税込3,102円 | 2,700円 税込2,970円 |
20GB | 5,200円 税込5,720円 | 4,620円 税込5,082円 | 4,500円 税込4,950円 |
30GB | 7,450円 税込8,195円 | 6,870円 税込7,557円 | 6,750円 税込7,425円 |
タイプD=ドコモ回線 タイプA=au回線 |
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エンタメフリー・オプション |
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音声SIMの場合:280円/月 データSIMの場合:980円/月 データ消費ゼロで使い放題のアプリ YouTube、AbemaTV、U-NEXT、YouTube Kids Google Play Music、YouTube Music、Apple Music、Spotify AWA、Amazon Music、LINE MUSIC、radiko.jp らじる★らじる、dヒッツ、RecMusic、dマガジン dブック、Facebook Messenger |
BIGLOBEモバイルもセルラーモデルのiPad Proにおすすめの格安SIMです。なぜなら、BIGLOBEモバイルには「エンタメフリーオプション」があるからです。
エンタメフリーオプションは、YouTubeやU-NEXT、AbemaTVなどの動画サービスが使い放題のオプションです。動画に加えて、Apple MusicやAmazon Musicなどの音楽系サービス、dマガジンや楽天マガジンなどの電子書籍サービスも使い放題です。
LINEモバイルとBIGLOBEモバイルは、データフリーサービスがある点で共通していますが、TwitterやInstagramなどのSNSをたくさん利用する場合はLINEモバイル、YouTubeやApple Musicなどエンタメをたくさん利用するならBIGLOBEモバイルがおすすめの格安SIMです。
【UQモバイル】通信速度を重視するならこれ一択
プラン名 | 月額料金 | 節約モード/ 速度制限時 |
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くりこし プランS (3GB) | 1,480円 税込1,628円 | 最大300kbps |
くりこし プランR (15GB) | 2,480円 税込2,728円 | 最大1Mbps |
くりこし プランL (25GB) | 3.480円 税込3,828円 | 最大1Mbps |
一方で、格安SIMの弱点は、通信速度が遅いことです。例えばお昼時や夜など、一般的にスマートフォンの利用頻度が高くなる時間帯で、通信速度が遅くなることがあります。先程紹介したLINEモバイルやBIGLOBEモバイルも例外ではなく、お昼時や夕方以降、速度が落ちることがあります。
そんな中で、格安SIMを活用して通信費を抑えたいけど通信速度を重視するという場合は、UQモバイル一択です。UQモバイルはauのサブブランドという位置ですから、他の格安SIMよりも優遇されているため、お昼時や夕方でも速度が落ちにくくなっています。
ただし、UQモバイルを契約するなら注意が必要です。UQモバイルでは、auで購入したiPad ProかSIMフリーのiPad Proしか利用できません。ドコモやソフトバンクでiPad Proを購入した場合は、SIMロック解除が必須です。
まとめ
iPad Proで格安SIMを利用する方法をまとめました。ポイントは3点です。
- iPad Proで格安SIMを利用するなら「セルラーモデル」が必要
- iPad Proで格安SIMを利用する前に利用できるキャリアや動作確認は忘れずに
- データ通信SIMを契約すること
大手キャリアでセルラーモデルのiPad Proを購入したものの、大きさや重さ、利用方法などから持ち運ぶ頻度が少なくなったあなたなら、大手キャリアよりもお得な利用料金で、使いたいときだけ持ち運び、どこでも利用できる格安SIMが本当におすすめです。
iPad Proを使うなら、格安SIMを有効活用して、賢く節約していきましょう。