nuroモバイルは、誰もが知っているSONYグループが提供している格安SIMです。料金体系が非常にシンプルでわかりやすく、他の格安SIMにはないサービスや機能を多く備えています。
最近では光回線の「NURO光」も知名度が上がっているため、nuroという言葉を耳にする機会も増えたのではないでしょうか。
結論から言うと、nuroモバイルは格安SIMの中で最安なため、月額料金の安さを求めるなら、1人で利用する場合も、家族などで複数回線利用する場合もおすすめできます。
今回は、nuroモバイルの月額料金、通信速度、サービス内容、特典など様々な観点から徹底評価・解説しつつ、他社との料金やサービス内容の比較も行っていきます。
他の格安SIMと比較した場合に他社の方が優れている部分も当然あるため、そういった部分やデメリットなどについては、イチnuroモバイルユーザーとして正直にズバッとお話します。
まず最初にメリット・デメリットを簡単にまとめ、後半で各内容について詳しく解説します。
nuroモバイルのメリットと料金を簡単に解説
プラン名 (データ容量) | 音声SIM | データSIM +SMS | データSIM |
---|---|---|---|
VSプラン (3GB) | 720円 税込792円 | 570円 税込627円 |
|
VMプラン (5GB) | 900円 税込990円 | 750円 税込825円 |
|
VLプラン (8GB) | 1,350円 税込1,4895円 | 1,200円 税込1,320円 |
- 月額基本料が格安SIMの中で最安
- 初月の月額基本料金が無料
- ドコモ、au、ソフトバンクのトリプルキャリア回線
- バースト転送機能で低速時も快適
- データ容量を他の人にプレゼントできる(パケットギフト)
- データ容量の繰り越しが可能
- 3ヶ月ごとにデータ容量の追加プレゼントがある(Gigaプラス)
- 3日間の通信制限なし
- 公式無料アプリ「nuroモバイルでんわ」で通話料が半額になる
- 通話し放題オプションあり(10分かけ放題)
- 持ち込み端末でも補償に加入できる
- Xperiaの取り扱いがある
- 最低利用期間なし、契約解除料・MNP転出手数料がゼロ
nuroモバイルの最大の特徴は、月額料金の安さです。プランはS,M,Lの3種類のみとシンプルで、どれも他社と比較しても最安です。
トリプルキャリア回線に対応しているため、ドコモ・au・ソフトバンクで購入したスマホをSIMロック解除せずそのまま使用することができます。
月間データ容量を使い切った後、いわゆる通信速度制限の状態になった時は他の格安SIMと同じく最大200kbpsになりますが、速度制限時も初速が高速通信になるバースト機能に対応しているため、比較的快適に使えます。
nuroモバイルユーザー宛にデータ容量のプレゼントできたり、データ容量の繰り越しができたりと、データ容量の消費が無駄なくできるサービスが充実しています。
さらにGigaプラスという継続特典により、3ヶ月ごとにVMプラン(5GB)だと3GB、VLプラン(8GB)だと6GBのデータ容量を追加でもらうことができます。
最低利用期間がないため解約時に違約金がかかる心配がなく、他社への乗り換える際もMNP転出手数料がかからないため、気軽に試してみることができます。
nuroモバイルのデメリットを解説
- 通信速度は大手キャリアに比べると劣る
- 支払いがクレジットカードのみ
- 低速通信の手動切り替えができない
通信速度は大手キャリアに比べると劣る
これはnuroモバイルに限らず、格安SIM全体のお話です。
格安SIMでは大手キャリアから通信網を借りて運営しているため、回線の量や幅に限りがあり、通信品質はどうしても劣ります。
格安SIMが大手キャリアより通信速度が速いことは基本的になく、平日お昼などの混み合う時間帯は速度が落ちるのが一番のデメリットです。
その分、格安SIMでは月額料金が安いため、通信速度とはトレードオフだと考える必要があります。
支払いがクレジットカードのみ
これもnuroモバイルだけのお話ではなく、格安SIMでは基本的に支払方法はクレジットカードのみです。
大手キャリアだと口座振替が使えるため、クレジットカードを持っていないくても契約ができます。しかし、格安SIMではクレカが必須のためそれができません。
ただ、数は少ないですが口座振替でも申し込みができる格安SIMも存在します。どうしてもクレカを使いたくない、事情があり持てないという場合はそちらを選ぶと良いでしょう。
低速通信の手動切り替えができない
格安SIMでは、高速通信と低速通信を手動で切り替えできるところが結構あります。
低速通信に切り替えるとデータ容量を消費しなくなります。これにより、こまめに切り替えて月間データ容量が小さいプランでも上手くやりくりしたり、動画視聴など通信量の多いコンテンツのためデータ容量を取っておくなどの使い方ができます。
nuroモバイルではこの低速通信への手動切り替えができないため、データ容量の節約はできません。
ただ、通信速度制限後もバースト機能により割と快適に使えるため、低速通信の切り替えがないことで不便することは少ないです。
また家族で使う場合、バケットギフトを使って余っている人からデータ容量を分けてもらうことで、容量不足は解決できます。
nuroモバイルとその他の格安SIMとの月額料金を比較
回線を選ぶ上で最も重要視される月額料金について、nuroモバイルとその他の主要格安SIMの料金比較を表にまとめました。
nuroモバイルはとにかく安い。3GB、5GB、8GBの3つとも最安です。
しかもVMプラン(5GB)、VLプラン(8GB)は3ヶ月ごとにそれぞれ3GB、6GBの追加データ容量がもらえます。そのため、実質VMプランは6GB/月、VLプランは10GB/月に相当します。
惜しむらくは、10GBを超えるような大容量データプランがないことです。10GB~20GBの場合はIIJmioが最も安いため、毎月の通信量が多い場合はそちらを選ぶと良いです。
nuroモバイルとその他の格安SIMとの通信速度を比較
こちらはスマホの市場調査を行っているMMD研究所による格安SIM各社の通信速度データです。
引用元: MMD研究所
格安SIMでは通信速度が大手キャリアほど安定せず、回線が混雑する時間帯は速度が落ちやすい傾向にあります。
特に平日お昼は仕事の休憩時間で一気に使う人が増えるため、1日の中で最も通信速度が下がります。そのため、上のグラフのように一番遅い時は1Mbpsを下回るときもあります。
ではnuroモバイルの通信速度はどうなのかと言うと、格安SIMの中では並です。
ドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線ではそれぞれ速度が異なりますが、3種類の中ではソフトバンク回線が最も安定しています。
通信速度を重視したいというのであれば、20~60Mbps出ているUQモバイルかY!mobileを選んだほうが良いです。ただし、通信品質が良い分、nuroモバイルよりも料金は高くなります。
nuroモバイルのメリットや特徴を丁寧に解説
月額基本料が格安SIMの中で最安
先ほど他社格安SIMとの月額料金比較でもお話した通り、nuroモバイルは月額基本料が最安です。
以前のnuroモバイルは正直料金的に微妙だったんですが、2021年3月~4月の料金値下げ合戦で安さトップに躍り出ました。
特にVSプラン(3GB)の安さは圧倒的で、Y!mobileと比べると約1/3です。
とにかく月々の料金を安くしたいということであれば、nuroモバイルを選んでおけば間違いないです。
初月の月額基本料金が無料
大手キャリアから乗り換える際の注意点は、解約した月の料金は日割りにならないということです。
そのため、普通であれば乗り換えした月は移転元と移転先の両方料金が発生し、思った以上に出費がかさみしんどい…という事態になることがあります。
nuroモバイルでは初月の月額基本料が無料になるため、乗り換え時に「締日が末日だから月末頃になるまで待とう…」など、タイミングを深く考えずに済みます。
ドコモ、au、ソフトバンクのトリプルキャリア回線
格安SIMはドコモ、au、ソフトバンクのいずれかから回線を借りて運営しています。
そのため、例えばA社はドコモ回線のみ、B社はau回線のみなど、各社で取り扱っている回線種類が異なります。
回線種類は、手持ちのスマホをそのまま使う場合に影響します。
大手キャリアで購入したスマホはSIMロックというものがかかっていて、解除しない限り他社で使うことができません。
SIMロック解除をしていない場合、例えばソフトバンクで購入した端末は格安SIMのドコモ回線では使えません。
nuroモバイルではドコモ、au、ソフトバンクの3種類の回線があるため、購入元と同種類の回線を選べばSIMロック解除不要でそのまま使うことができます。
バースト転送機能で低速時も快適
nuroモバイルは、低速時に初速だけ高速通信になる「バースト転送機能」に対応しています。
通信速度が速くなるのは通信し始めの数秒だけなので、動画など通信量が多いコンテンツにはあまり効果がありません。
しかし、テキストベースのWebサイト閲覧やTwitterなどであれば通信量が少ないため、快適に使用することができます。
バースト機能は対応していない格安SIMも多いので、この安さで使えるのはメリットとしてでかいです。
データ容量を他の人にプレゼントできる(パケットギフト)
nuroモバイルにはデータシェアプランはありませんが、それよりも便利なパケットギフトが使えます。
パケットギフトとは、データ容量を他のnuroモバイルユーザーに分けることができる機能です。
データシェアの場合、誰か1人が使い過ぎて速度制限にかかった場合、シェアしている他の回線全部が速度制限にかかってしまうというデメリットがあります。
nuroモバイルのパケットギフトなら、必要な時だけデータ容量を分けることができるため、1人の使いすぎによって他の回線に影響が出ることはありません。
家族で使う場合、お子さんはデータ容量が足りなくなることが多いけど、お父さんやお母さんは余りがちというケースがよくあります。この場合も、パケットギフトを使えばお互い無駄なくデータ容量を消費できます。
気をつけたいのは、回線種類が同じでないと使えない点です。例えばドコモ回線のユーザーは、ドコモ回線のユーザー宛にしかパケットギフトができないということです。
そのため複数回線契約する時は、回線種類を統一するようにしましょう。
データ容量の繰り越しが可能
nuroモバイルでは、当月に使い切れなかったデータ容量を翌月に繰り越しできる機能があります。
繰り越したデータ容量の消費期限は1ヶ月ですが、繰り越し分から消費されていくので無駄なく使うことができます。
- パケットギフトで受け取ったデータ容量
- 前月から繰り越しされたデータ容量
- 当月に付与されたデータ容量
- 追加購入したデータ容量
3ヶ月ごとにデータ容量の追加プレゼントがある(Gigaプラス)
VMプラン(5GB)、VLプラン(8GB)で契約している場合、Gigaプラスという継続特典により、3ヶ月ごとにそれぞれ3GB、6GBの追加データ容量がもらえます。(VSプランは対象外)
Gigaプラスでもらえるデータ容量の消費期限は翌々月まで。つまり、3ヶ月後の次のGigaプラス分がもらえるまで使うことができます。
3ヶ月ごとではありますが、契約開始月は計算に含まれません。そのためGigaプラスが付与されるタイミングは、契約してから4ヶ月目、7ヶ月目、10ヶ月目…となります。
Gigaプラスは自動付与ではないため、3ヶ月ごとに届く案内メールから受け取り手続きを行う必要があります。付与された月に受け取らないと消滅してしまうため、当月中に忘れず手続きをしましょう。
3日間の通信制限なし
ソフトバンクやauなどの大手キャリアを含め、多くのキャリアには直近3日間のデータ使用量が多すぎる場合に通信速度を制限する「3日間制限」があります。
nuroモバイルには3日間制限がないため、短日で使いすぎてしまった場合でも速度低下になる心配はありません。
公式無料アプリ「nuroモバイルでんわ」で通話料が半額になる
大手キャリアでも格安SIMでも、通常の通話料は20円/30秒(税抜)です。
しかし、公式無料アプリ「nuroモバイルでんわ」を使うことで、半額の10円/30秒(税抜)で通話することができます。
アプリ経由の場合はプレフィックス回線のため、普通の電話回線での通話に比べると通話品質は多少劣ります。しかし、LINE通話と品質は同じくらいのため、話していて気になるレベルではありません。
電話番号の通知に関してはアプリ経由でも通常時と変わらず、相手に本来の電話番号そのままで伝わるため安心です。
通話し放題オプションあり(10分かけ放題)
nuroモバイルでんわを使えば通話料が半額で使えますが、月44分以上の通話をするのであれば10分かけ放題に加入しておいたほうが良いです。
10分かけ放題オプションの付け外しはいつでもできるので、普段はオプションなしで使っておいて、電話の頻度が高くなりそうな月だけ加入するというのもアリです。
持ち込み端末でも補償に加入できる
格安SIMでは手持ちのスマホをそのまま使ってSIMのみを契約する人が多いですが、その場合でもnuroモバイルなら端末故障時の補償に加入することができます。
自然故障だけでなく、画面割れなどの破損や水濡れにも対応しています。
補償未加入での修理は3万、4万かかることも珍しくありません。補償加入はnuroモバイル申込時にしかできないため、迷ったら加入しておくことをおすすめします。
Xperiaの取り扱いがある
格安SIMで販売しているスマホはSIMフリーのものがほとんどなため、国内メーカーの端末の取り扱いは少ないです。
しかし、nuroモバイルはソニーが運営している格安SIMということもあり、国産スマホの中でも有名なXperiaシリーズを販売しています。
国産スマホならではの機能、防水やおサイフケータイなどにもバッチリ対応しているため、スマホ選びに迷ったらXperiaを選んでおけば間違いありません。
最低利用期間なし、契約解除料・MNP転出手数料がゼロ
以前は携帯電話といえば2年契約の自動更新が当たり前でしたが、現在は基本的にそういった縛りどのキャリアでもなくなっています。
ただ、最低利用期間がなくても1,000円程度の契約解除料がかかったり、他社へ乗り換える際はMNP転出手数料が3,000円程度発生するところは今でもあります。
nuroモバイルではいつでも契約解除料はゼロ、MNP転出手数料も無料です。そのため、メイン回線でも気軽に乗り換えして使用感を試すことができます。
まとめ
nuroモバイルがどんな格安SIMなのかについて詳細に解説しました。
- 月額基本料が格安SIMの中で最安
- 初月の月額基本料金が無料
- ドコモ、au、ソフトバンクのトリプルキャリア回線
- バースト転送機能で低速時も快適
- データ容量を他の人にプレゼントできる(パケットギフト)
- データ容量の繰り越しが可能
- 3ヶ月ごとにデータ容量の追加プレゼントがある(Gigaプラス)
- 3日間の通信制限なし
- 公式無料アプリ「nuroモバイルでんわ」で通話料が半額になる
- 通話し放題オプションあり(10分かけ放題)
- 持ち込み端末でも補償に加入できる
- Xperiaの取り扱いがある
- 最低利用期間なし、契約解除料・MNP転出手数料がゼロ
- 通信速度は大手キャリアに比べると劣る
- 支払いがクレジットカードのみ
- 低速通信の手動切り替えができない
総合評価としては、月額料金の安さを求めるなら間違いなく一番です。通信速度も格安SIMの中では並なので、安いからそのぶん速度が遅いということではありません。
どのデータ容量でも格安SIMの中では最安なので、1人で利用する場合も家族などで複数回線利用する場合にもおすすめできます。