楽天モバイル

楽天モバイルは2020年から第4のキャリアとして自社回線による運営を開始し、現在では300万回線超えとかなりの人気になっています。

結論から言うと、普段使う場所が楽天回線エリア内の場合はおすすめできます。楽天回線エリア外の場合はメリットが少ないため、他社を選んだほうが良いです。

ただ、4月7日までに申し込めば月額料金が1年間無料で使えるので、現状はとりあえず深く考えずサブ回線用やお試しで契約しておくのもアリです。

今回は、楽天モバイルの月額料金、通信速度、サービス内容、特典など様々な観点から徹底評価・解説しつつ、他社との料金やサービス内容の比較も行っていきます。

まず最初にメリット・デメリットを簡単にまとめ、後半で各内容について詳しく解説します。

楽天モバイルのメリットと料金を簡単に解説

Rakuten UN-LIMIT VI
~3GB以下
980円
税込1,078円
3GB~20GB以下
1,980円
税込2,178円
20GB超過後
2,980円
税込3,278円
楽天モバイルのメリット
  • 1GBまでなら0円
  • プラン料金3ヶ月無料
  • データ使用量に応じて自動的に月額料金が変動
  • 【楽天回線エリア】データ通信が無制限で使い放題
  • 【パートナー回線エリア】速度制限後も最大1Mbspで使える
  • 5Gが無料で使える
  • 新規申込時の事務手数料が無料
  • 通話し放題が無料(Rakuten Linkアプリ利用)
  • デビットカード・口座振替でも契約できる
  • 楽天ポイントが貯まる
  • 実店舗が全国にあり契約や各種手続きができる
  • 最低利用期間なし

 

楽天モバイルは2020年4月8日から自社回線の運用を開始しました第4のキャリアです。プランは「Rakuten UN-LIMIT」のみで非常にシンプル。

MNOになったので厳密にはもう格安SIMではないのですが、多くの媒体で格安SIMとして括られているため、当サイトでもそのように紹介しています。

4月7日までですが、月額料金が1年間無料になるキャンペーンを行っています。メイン回線をいきなり乗り換えるのが不安という人は、とりあえずサブ回線として試しに使ってみると良いです。

新規申込時の事務手数料はゼロ、最低利用期間なしで契約解除料もゼロなので、使ってみて損することはありません。

月額料金は使ったデータ分だけ支払う変動制です。データ使用量が少ない月は自動的に安くなるため、月によってデータ使用量がよく変わるという人は恩恵を受けやすいですね。

月額料金の上限は20GB 2,980円で、楽天回線エリア内であれば20GBを超えても高速通信で使い放題です。

楽天回線エリア外(パートナー回線エリア)の場合は5GBまでですが、5GBを超えても最大1Mbpsで使えます。格安SIMだと基本的に通信制限後の速度は200kbpsなので、比較するとかなり快適であることがわかります。

5G対応端末を使っていれば、楽天モバイルでも5G通信が可能です。5Gのサービスエリアはまだ狭いですが、無料で使えるサービスなのでデメリットはありません。

楽天モバイルでは通話し放題がプランに含まれており、「Rakuten Link」という無料アプリを使うことで国内通話が24時間がかけ放題です。

支払いに関しては、クレジットカード以外も対応しています。格安SIMだとクレカのみのところがほとんどなので、デビットカードや口座振替でも契約できるのは便利です。

他の大手3キャリアと同じく全国に実店舗があり、格安SIMだとサポートは基本ウェブのみなので、プランの詳細などを詳しく聞きながら契約することができるのは助かりますね。

楽天モバイルのデメリットを解説

楽天モバイルのデメリット
  • 楽天回線エリアがまだまだ狭い
  • データ利用量は楽天回線エリアとパートナー回線エリアの合算
  • 動作する端末が他社に比べて少ない

 

楽天回線エリアがまだまだ狭い

楽天モバイルは、楽天回線エリア内だと高速通信でデータ通信が無制限というのが最大のウリです。

しかし、楽天回線エリアはまだそれほど広くありません。大手キャリアと同じ感覚でサービスエリアが対応しているだろうと考えていると、対応していなくて痛い目を見る可能性があります。

楽天回線エリアの人口カバー率は、2021年夏に96%に達する予定だとされています。2020年は約73%なのでかなり頑張っていはいますが、「人口カバー率96%=全国96%の場所で使える」というわけではないので注意が必要です。

楽天回線エリア外、つまりパートナー回線エリアはauと同一のためかなり広いのですが、データ無制限が適用されず上限が5GBになってしまいます。

普段使っている場所が楽天回線エリアに対応していないなら、楽天モバイルを使うメリットは正直ありません。

1GB~5GBならもっと安い格安SIMがあるし、20GBなら大手キャリアの格安プラン「ahamo」「povo」「LINEMO」の方が金額もほぼ変わらない上に使い勝手が良いです。

データ利用量は楽天回線エリアとパートナー回線エリアの合算

これはちょっとややこしいのですが、楽天回線エリアとパートナー回線エリアでのデータ使用量は別々に計算されるわけではありません。

●毎月のデータ利用量によってプラン料金が変動しますが、データ利用量には何が含まれますか
→「Rakuten UN-LIMIT VI(ラクテンアンリミット シックス)」におけるデータ利用量には、データ高速モードON/OFF、速度制限の有無にかかわらず、以下すべてのデータ利用分が含まれます。

・楽天回線エリアでのデータ利用量
・パートナー回線エリア(国内)でのデータ利用量
・パートナー回線エリア(海外)でのデータ利用量

例えば楽天回線エリアで5GB以上使っている場合、パートナー回線エリアに行った時には速度制限がかかった状態になってしまいます。

普段は楽天回線エリア内だからデータ利用量を気にせずガンガン使っている場合でも、旅行や出張などで違ういつもと違う場所に行った時にパートナー回線エリアになって通信速度が遅い…ということもあり得るのでご注意を。

動作する端末が他社に比べて少ない

最近は、他社へ乗り換え時に新しいスマホを購入せず、現在の端末をそのまま利用するケースが増えています。その際に気をつけなければならないのは、乗り換え先でその端末がちゃんと動作するかどうか。

格安SIMでは各社の公式ホームページに動作確認済み端末が記載されており、契約前には必ずチェックする必要があります。

楽天モバイルでも動作確認済み端末の記載はありますが、他社と比べると動作する端末が少ないです。

普通はSIMロック解除されていればどのキャリアでもほぼ問題なく使えるものですが、楽天モバイルでは動作しないものが多いです。

例えば管理人が所持している端末の1つである、SIMロック解除済みのソフトバンク版iPhone SE (第1世代)。他の格安SIMではすべて問題なく動作していましたが、楽天モバイルでは電波を掴むことができず圏外になってしまいます。

楽天モバイルで端末をセット購入すれば心配はありませんが、手持ちの端末を使いたい場合は必ず事前に動作確認済み端末をチェックしましょう。

楽天モバイルと主要格安SIMとの月額料金を比較

回線を選ぶ上で最も重要視される月額料金。比較しやすいように、主要格安SIMの料金比較を表にまとめました。

Rakuten UN-LIMIT VI
~3GB以下
980円
税込1,078円
3GB~20GB以下
1,980円
税込2,178円
20GB超過後
2,980円
税込3,278円

楽天モバイルを選んで安く済む使い方は以下の2通り。

  • 1回線目かつ月1GB以下
  • 月20GB以上かつ楽天回線エリアに対応している

 

それ以外の場合は他社を選んだほうが安くつきます。

1GB以下や20GB以上に当てはまる人がどれくらいいるかというと、実はそれほど多くありません。下のグラフは、スマホの市場調査を行っているMMD研究所の調査データです。

(引用:MMD研究所より)

月間データ通信量が1GB未満や、10GB以上の人の割合が少ないのがわかりますね。

使い放題だから便利そうと思って契約しても、自身のデータ使用量を把握していないと実はもったいないことしてるというケースも多いので気をつけましょう。

楽天モバイルとahamo, povo, LINEMOの月額料金を比較

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2021年3月から始まった大手キャリアの新プランは、すべて共通で20GBです。

楽天モバイルは20GB以下で1,980円、20GB超えても2,980円なので、安さやデータ通信量で選ぶなら楽天モバイルの方が良いです。(ただし楽天回線エリア内に限る)

楽天モバイルと主要格安SIMとの通信速度を比較

こちらはスマホの市場調査を行っているMMD研究所による格安SIM各社の通信速度データです。

上記の楽天モバイルの速度は自社回線になる前のものなので、他社の数字のみ参考にして下さい。

見てもらうとわかる通り、格安SIMは10Mbpsを切っているところも多いです。サブブランド系であるY!mobileとUQモバイルに関しては、例外的に20~60Mbpsと高速かつ安定しています。

ドコモ、au、ソフトバンクはたいだい20~60Mbps。

では楽天モバイルはどうなのかというと、3大キャリアと変わらない速度が出ています。

人によっては80Mbps以上出ていることもあり、楽天モバイルの通信速度はかなり快適であることがわかります。

楽天モバイルのメリット・特徴を詳しく解説

1GBまでなら0円

楽天モバイルは、月間データ使用量が1GBまでであれば料金が0円で済みます。(1回線目のみ)

そのため、普段あまりネットは使わない、スマホは最低限のアプリなどしか使用していないなどであれば、楽天モバイルに乗り換えることで大幅に月額料金を安くできる可能性があります。

また、楽天モバイルは標準で24時間通話し放題が使えるため、サブ回線で通話専用で0円で使うものアリです。

プラン料金3ヶ月無料

楽天モバイルでは現在、月額料金が3ヶ月間無料になるキャンペーンを行っています。そのため、3ヶ月間は月間データ通信量が何ギガでも0円。

キャンペーン終了日は未定ですが、気になる場合はサブ回線としてでも申し込みをしておくと良いです。

データ使用量に応じて自動的に月額料金が変動

楽天モバイルの現行プランは、月間データ使用量に応じて自動的に料金が変わります。

データ使用量は月によってバラつきがあることが多いため、毎月決まったデータ容量だと、使わないのに余分な金額を支払ってしまっているケースもあります。

楽天モバイルならそういった心配もなく、データ容量が残り何ギガだとか考える必要もないので楽です。

自分のデータ通信量を詳しく把握していないという場合も、変動制なら面倒がないため便利です。

【楽天回線エリア】データ通信が無制限で使い放題

楽天モバイルの最大のメリットが、データ通信使い放題です。

この使い放題のすごいところは、すべてが高速通信という点です。格安SIMには使い放題に対応しているところがいくつかありますが、特定のアプリのみだったり、低速通信だったりします。

データ無制限は楽天回線エリアのみではありますが、普段使う場所が楽天回線エリアの人はかなり使えるのでおすすめです。

また、スマホを機種変更した後、古い端末が手元に残っていることも最近は多いと思います。

そういったスマホをSIMロック解除して、楽天モバイルのSIMを挿入して2台持ち。YouTubeなど通信量の多いコンテンツは2台目で、という使い方も便利です。

【パートナー回線エリア】速度制限後も最大1Mbspで使える

パートナー回線エリア(楽天回線エリア外)の月間データ容量は5GBですが、契約したデータ容量を使い切った後も最大1Mbpsの下り速度で使い続けることができます。

大手キャリアも含め、普通はデータ容量を超えると128Kbps~200kbpsの低速通信モードに切り替わります。パートナー回線エリアは1Mbpsと5倍程度の速度はあるため、比較するとけっこう快適です。

下り1Mbpsでできること、できないことの目安は以下の通りです。

1Mbpsでも使えるコンテンツ
  • ウェブ検索
  • メールやLINEの送受信
  • LINEやMessengerでの通話
  • Twitter
  • Googleマップや乗換案内などのアプリ
  • SpotifyやAWAなどの音楽系アプリ
  • YouTubeやU-NEXTなどの動画視聴(720p以下)
  • ビデオ通話
  • Instagram
  • Tiktok

 

1Mbpsだと厳しいコンテンツ
  • YouTubeやU-NEXTなどの動画視聴(1080p以上)
  • アプリのダウンロード

 

5Gが無料で使える

通信速度が4Gの20倍、同時接続数が10倍とされている、次世代移動通信システムの5G。楽天モバイルでも5Gに対応しており、無料で使うことができます。

格安SIMだと5Gは有料オプションだったりするところもあるため、無料で使えるのは素晴らしいです。

惜しいのは3大キャリアと同じく、5Gに対応しているところはまだかなり少なく、5G対応端末でなければいけないという点。

とは言え、無料で使えて特にデメリットもないため、使える人はラッキーくらいに考えておけば良いです。

新規申込時の事務手数料が無料

大手キャリアでも格安SIMでも、新規申込時には事務手数料が3,000円程度かかります。しかし、楽天モバイルなら申込時の手数料はかかりません。

1回線だけなら3000円くらいと思えるかもしれませんが、家族など複数回線で申し込むと手数料だけで1万円超えるなどバカにならない金額になります。

その他にも、乗り換え時は移転元のキャリアで転出料が約3,000円かかったり、意外と月額料金以外の部分で費用がかかったりするため、事務手数料無料は地味に助かります。

通話し放題が無料(Rakuten Linkアプリ利用)

楽天モバイルでは、通話し放題が無料で使えます。

通話し放題は、「Rakuten Link」という公式無料アプリを使った場合に適用されます。

以前はアプリ経由だと通話品質が良くないと不評でしたが、現在は気にならないレベルに改善されています。

アプリ経由でも番号通知は普通にされるため、相手に正しく伝わらないのでは?という心配も不要です。

Rakuten Linkアプリを経由せず電話すると、通常通り20円/30秒の通話料が発生するため注意です。楽天モバイルを契約したら、まずはRakuten Linkをインストールしておきましょう。

デビットカード・口座振替でも契約できる

大手キャリアでは普通に選べる口座振替ですが、格安SIMだとクレジットカードのみなのが基本です。

楽天モバイルも口座振替が選べるため、クレカを使いたくない・使えない場合にも安心です。デビットカードは「楽天銀行デビットカード」「スルガ銀行デビットカード」の2つが使えます。

また、審査基準が3大キャリアと異なる可能性があるため、ドコモ・au・ソフトバンクで審査に落ちた場合は楽天モバイルで申し込んでみると良いです。

楽天ポイントが貯まる

楽天モバイルでは、利用料金100円につき楽天ポイントが1ポイント貯まります。

楽天ポイントは楽天モバイルの月々の支払いをはじめ、楽天市場でのショッピング、楽天Edyのチャージ、楽天チケットでの購入など、様々な使い方ができます。

どれに使うか考えるのが面倒という場合は、楽天モバイルの支払いに自動的にポイントが宛てられるようにしておくと便利です。

実店舗が全国にあり契約や各種手続きができる

格安SIMだと基本的にネット完結ですが、楽天モバイルは3大キャリアと同じように全国各地に実店舗があり、各種手続きができます。

楽天ショップでの対応業務
  • 新規回線契約
  • 他社回線から乗り換え(MNP)
  • 楽天モバイル(ドコモ回線/au回線)からプラン変更(移行)
  • 機種変更
  • SIMカードの交換・再発行

 

注意点として、ウェブから申し込んだ場合に店頭サポートは受けられません。

楽天モバイルのプランや機能について不明点がある、使い方を教えてもらいたいなどのサポートをスタッフから直接教えてもらいたい場合は、ショップで申し込みをしましょう。

また、修理に関しては店頭受付をしていないため、ウェブもしくは電話での手続きが必要です。

最低利用期間なし

まとめ

楽天モバイルがどんな格安SIMなのかについて詳細に解説しました。

楽天モバイルのメリットおさらい
  • 2021年4月7日までの契約で月額料金が1年間無料
  • データ使用量に応じて自動的に月額料金が変動
  • 【楽天回線エリア】データ通信が無制限で使い放題
  • 【パートナー回線エリア】速度制限後も最大1Mbspで使える
  • 5Gが無料で使える
  • 新規申込時の事務手数料が無料
  • 通話し放題が無料(Rakuten Linkアプリ利用)
  • デビットカード・口座振替でも契約できる
  • 楽天ポイントが貯まる
  • 実店舗が全国にあり契約や各種手続きができる
  • 最低利用期間なし

 

楽天モバイルのデメリットおさらい
  • 楽天回線エリアがまだまだ狭い
  • データ利用量は楽天回線エリアとパートナー回線エリアの合算
  • 動作する端末が他社に比べて少ない
  • iPhoneなど動作保証製品以外のパートナー回線切替は手動

 

総合評価としては、データ通信をガンガン使いたくて楽天回線エリア内の人には非常におすすめできるキャリアです。

楽天回線エリア内でも月間データ使用量が20GBを超えないようなら他社を選んだほうがいい可能性が高いです。また、自宅や普段利用する場所がパートナー回線エリアの場合は楽天モバイルはやめておいた方が良いです。

4月7日までに申し込めば1年間無料で使えるので、気になる場合は一度試してみると良いでしょう。