
格安SIM、格安スマホは大手キャリアに比べると携帯契約の審査がゆるい、甘いと言われています。
これは事実で、例えば大手キャリアで滞納を繰り返したためになる携帯ブラック、クレジットカードや分割の支払いでトラブルを起こしたためになる金融ブラックの場合でも、格安SIMであれば契約可能です。
申し込み予定の格安SIMで滞納でもしていない限り、ほぼ審査なしといっても過言ではありません。
ちなみに自分は東京の某エリアで働いていたのですが、他のエリアに比べると審査落ち率が高く、たくさんの審査落ちを見てきました。(クレカや口座で自動引落が一般的な昨今、わざわざ紙の請求書を持ってショップまで現金で支払いに来る人がゴロゴロいるやばい地区でした…)
そんな元携帯ショップ店員の経験と一般的な情報を交えつつ、携帯電話の審査について、なぜ格安SIMは審査に通りやすいのか、そして金融・携帯ブラックでも契約できる格安SIMについて解説していきます。
格安SIMは審査なし?2種類の携帯電話の審査について
大前提ではありますが、格安SIMでも必ず新規申し込みの際にも一応審査はあります。ただその審査が大手キャリアよりも極めて緩いため、格安SIMであればほぼ審査に落ちる心配はないということです。
その理由について順番に解説していきましょう。
まず、携帯電話を契約する時の審査には2種類あるというのを知らない方も多いと思うので、そちらについてお話しておきます。
- 分割審査(割賦審査)
- 契約審査
分割審査(割賦審査)は格安スマホにも存在する
分割審査(割賦審査)は、要するに携帯電話本体を分割支払いで購入するための審査です。
分割審査と契約審査の違いは何かというと、携帯端末の購入が絡んでいるかそうでないか。契約審査はあくまでもキャリアと契約するための審査で、分割審査はスマホを分割で購入できるかどうかのみを審査しています。
スマホの購入とは言え、あくまでも分割での購入。つまり、分割審査に落ちるのはローンを組めない場合と同じで、信用情報機関の情報が影響しています。
ちなみに10万円以上の分割はさらに審査が厳しくなります。最新のiPhoneを契約する時に審査落ちする人がいるのはこのためです。10万円超えだと同じキャリア内での機種変更でも分割NGが出たりします。
分割審査は端末を分割で購入する場合に発生するものなので、一括で購入する場合は分割審査なく、契約審査のみとなります。
そのため、新規契約時や他社からの乗り換え(MNP)の時にスマホと一緒に契約しようとして審査に落ちた人の約9割は、端末を一括払いにすることで審査に通っていました。
最近の携帯電話は分割で購入するのが主流になっているので、「携帯の審査=分割審査」と思っている人が多いですが、まずはそれが誤りだということを理解しておきましょう。
契約審査のみなら格安SIMは審査がゆるい・甘い
スマホの端末代金を一括で支払う場合、もしくはスマホ端末を購入せず回線のみ契約する場合は、分割審査はなく契約審査のみです。
格安SIMを契約する場合は大手キャリアからの乗り換えが多く、スマホも大手キャリアで購入したものをそのまま使うケースが多いです。
つまり、格安SIMに申し込みをする人はSIMだけ契約するがほとんどなので、契約審査のみ。これが格安SIMは審査が緩いと言われている理由の1つになっています。
もちろん、格安SIMの審査が大手キャリアよりゆるいと言われる理由はそれだけではありません。次項でさらに詳しくお話します。
ただし、格安SIMでも端末セットを分割で購入する場合は審査が厳しくなります。もし端末セットで申し込みをして格安SIMの審査に落ちた場合は、回線のみか一括購入にすることで審査に通るでしょう。
大手キャリアで携帯電話の契約審査に落ちる3つの理由とは
基本的に携帯電話の審査に落ちる理由は以下の通りです。
- 携帯料金の滞納がある
- 過去に何度も滞納したり強制解約されたことがある
- 個人信用情報機関に金融事故情報が残っている
携帯料金の滞納(他社滞納含め)がある
大手キャリアの場合、携帯料金の滞納があると100%契約はできません。他社滞納も同様です。
審査に落ちた時、ショップの登録端末に理由が表示されるものとそうでないものがあるのですが、他社滞納の場合は「他社で料金の滞納があるため~」という内容の理由が表示されます。
大手キャリアはTCA(一般社団法人電気通信事業者協会)というものに加盟しているため、滞納者の情報は共有されています。
他社に滞納がある場合、滞納分をすべて支払うことがで審査に通る可能性が出ます。
ただし、次項でお話する理由があるため、滞納分を支払っても100%審査に通るとは言えません。
過去に何度も滞納したり強制解約になったことがある
携帯電話の契約審査では、過去の支払い状況に関しても審査の参考になっています。
そのため、過去に滞納が何度も繰り返されている場合や、料金未払いによる強制解約の履歴がある場合は「携帯ブラック」となり、契約審査に落ちる可能性があります。
具体的に何ヶ月滞納したら、何回滞納したら、何回強制解約になったらNGになるのかなどはわかりませんが、大手キャリアでは5年分の支払い情報を保存していると言われているため、年数が経過することで審査に通る可能性も出てきます。
こうした場合はショップの登録端末には「総合的判断により~」などの表示がされるため、何が理由で審査に落ちたのかを詳細に知ることはできません。
その他、大手キャリアで契約と解約を短期間で何度も繰り返すと審査NGとなることがあるようです。
信用情報機関に金融事故情報が残っている
クレジットカードやその他ローンの支払い状況は、分割審査に影響します。
そのため、クレジットカードを飛ばして信用情報機関のブラックリストに載ってしまう、俗にいう「金融ブラック」の状態だとスマホと一緒に契約する時に分割購入ができません。
しかし、信用情報機関の情報はキャリアの契約審査には影響しないため、一括もしくは回線のみの契約であれば審査が通ります。
格安SIMなら携帯電話の契約審査なしと言っていいほどゆるい・甘い
先ほど大手キャリアはTCAに加盟していて滞納者情報を共有しているとお話しましたが、格安SIMはほとんどのキャリアがTCAに加入していません。そのため、他社滞納による審査への影響はありません。
つまり、携帯ブラックでも格安SIMであれば審査は通るということです。
また、格安SIMの審査に通らないという人の多くは、スマホ端末をセット購入しようとしています。
金融ブラックでも一括もしくは回線のみ(SIMのみ)の契約であれば問題なく契約ができます。
大手キャリアで審査に通らなかったという場合は、格安SIMで端末を一括購入、もしくは回線のみの契約にしてみると良いです。
金融ブラックでクレジットカードが持てない場合は口座振替などで契約する
多くの格安SIMは、支払い方法がクレジットカードのみになっています。
クレジットカードを使用しないということはそもそもクレジットカードを持てない可能性がある、つまりは支払い能力に問題があるかもしれないと考えることができます。
単純に現金で払いたいという人もいるためすべての人がそうだとは限りませんが、クレジットカードを持てるといういことは支払い能力があるという証拠になります。
キャリア側としては料金支払いのリスクをなくしたいのが当然ですから、支払い方法がクレカのみになっているのも頷けます。
しかし、格安SIMの中にも口座振替で契約ができるキャリアがいくつかあります。また、デビットカードでの支払いに対応している格安SIMもわずかですがあります。
信用情報ブラックでクレジットカードを持てないという場合は、デビットカードや口座振替で支払いができる格安SIMで契約すると良いでしょう。
格安SIMはデビットカードでの契約はできるのか?
クレジットカードを使わない格安SIMの契約方法として、デビットカードを利用するという手もあります。こちらも多くの人が気になる内容ではないでしょうか。
口座振替での契約方法の前に、デビットカードでの格安SIMの契約について解説します。
デビットカードは金融ブラックでも発行できる(一部例外あり)
デビットカードはクレジットカードとは違い、カードを使用した際に登録している銀行口座から即時引き落としがかかります。そのため、口座残高以上にカードを使用することはできません。
このように、デビットカードはクレジットカードのように後払いではないため信用情報とは連結しておらず、金融ブラックでも発行が可能です。
デビットカードは多くの銀行が発行をしており、三菱UFJ銀行や三井住友銀行など、大手銀行なら大抵取扱いをしています。
クレジットカードと同じように、デビットカードも「Visa」「JCB」などのブランドが取扱いを行っており、クレジットカードが使える店舗、サービス、オンラインショップなどの多くで使用することができます。
ただし、クレジットカードが使えるすべての場所で使えるわけではなく、お店やサービスによってはデビットカードは利用不可としているところもあるため、クレジットカードと比べると利便性は落ちます。特に格安SIMのように月額課金サービスの場合は対応していない場合が多々あります。
また、原則としてデビットカードの発行には審査がありませんが、残高が足りない時に立て替えをしてくれる機能が付いているデビットカードの場合は審査があるため注意して下さい。
一部格安SIMはデビットカードでの支払いを公式で可能としている
格安SIMでデビットカードを使って契約できるかについてですが、公式で対応していると明言しているところは非常に少ないです。
デビットカードはクレジットカードと違い、繰り返し利用してもクレジットヒストリーが磨かれるわけではないため、デビットカードからは申込者の支払い能力の判断ができません。そうなると、月額課金で毎月しっかり支払ってもらう必要がある格安SIMが対応していないのも仕方がないことと言えます。
ただ格安によっては、公式ではデビットカードに対応していると書いていなくても申し込めたという話も少なからずあります。
もしお目当ての格安SIMがあり、既にデビットカードを所持しているのであれば、仮に格安SIMの審査に落ちたとしても特にデメリットはないため、まずは一度そのデビットカードで申し込みしてみるのも良いでしょう。
【デビットカード】金融・携帯ブラックでも契約できる格安SIM
楽天モバイル
楽天モバイルは「楽天銀行デビットカード」「スルガ銀行デビットカード」の2つに対応しています。
使えるデビットカードの種類は非常に少ないですが、上記2つのカードは入会金、発行手数料、年会費などすべて無料のため、とりあえず発行しておいて損はありません。
楽天モバイルは1回線目は1GBまでなら月額0円で使うことができ、通話し放題も無料で使えます。
また、どれだけデータ通信を使っても月額2,980円が上限で、データ容量の制限なく高速通信で使い放題というのもメリットです。
楽天モバイルではクレジットカードやデビットカードだけでなく、口座振替での支払いに対応しているため、非常に申し込みがしやすくなっています。
【口座振替】金融・携帯ブラックでも契約できる格安SIM
音声通話SIM | データSIM | 端末セット | |
---|---|---|---|
LINEMO | ○ | ✕ | ✕ |
BIGLOBEモバイル | ✕ | ○ | ✕ |
![]() UQモバイル | ○ (MNPのみ) | - | ○ |
![]() 楽天モバイル | ○ | - | ✕ |
LINEMO(ラインモ)
LINEMOはソフトバンクが提供する格安ブランドで、厳密には格安SIMではありません。
しかし、月額料金が格安SIMと変わらない安さということもあってか、LINEMOと本家ソフトバンクとでは審査基準が異なるようです。
実際にLINEMOに申し込みをした人の声を聞いてみると、今まで携帯の審査に落ちたことはなかったのにLINEMOは審査NGだったという人もいれば、逆にブラックで大手キャリアはNGだったのにLINEMOの審査には通ったという人も多くいます。
LINEMOは格安SIMと違い、通信速度がソフトバンクとまったくの同一で高速&安定しているという大きなメリットがあります。月額料金も900円からと、格安SIMと比較しても最安クラス。
これらの理由から、大手キャリアで審査に通らなかった場合も、まずは一度LINEMOの申し込みを試してみることをおすすめします。
BIGLOBEモバイル
BIGLOBEモバイルはデータSIMのみ口座振替での申込みが可能で、音声通話SIMは口座振替での申込みができません。
しかし、データSIMを口座振替で契約した後に音声通話SIMへ変更することができます。多少手間がかかりますが、データSIMの契約には本人確認書類が必要ないため、まず審査に落ちることはないでしょう。
データSIMの場合に980円/月で付けられる「エンタメフリー・オプション」はYouTube、U-NEXT、AbemaTVなど動画視聴アプリやLINE MUSIC、Spotifyなどの音楽系アプリ、さらにradikoなどのラジオ視聴系アプリの使い放題に対応しているため、エンタメ系コンテンツを多用する場合におすすめです。
UQモバイル
UQモバイルは音声SIMでの口座振替が可能なだけでなく、スマホ端末をセットで購入する場合にも口座振替で契約することができます。(データSIMは口座振替での申込みは不可)
auのサブブランドということもあり通信速度も格安SIMの中では良好なため、他の格安SIMで審査が通らなかった場合におすすめです。
ただし、新規番号での契約は口座振替での受付が終了していますので注意。口座振替での契約は他社からの乗り換え(MNP)の場合のみ申込み可能です。
楽天モバイル
楽天モバイルは先ほどデビットカードで契約可能な格安SIMでお話しましたが、口座振替でも支払い可能です。
ただし、セット端末の購入はできません。そのため、スマホは以前使っていたものをそのまま使用するか、SIMフリー端末を別の手段で入手する必要があります。
SIMフリー端末を入手する方法はいろいろありますが、動作保証がされている店舗やネットショップで購入することをおすすめします。
また、楽天モバイル公式サイトの動作確認済み端末のページで、利用予定のスマホが楽天モバイルに対応しているかどうかのチェックも必ずしましょう。
まとめ
携帯電話の審査とブラックでも持てる格安SIMについて解説しました。
大手キャリアで審査に落ちてしまった場合は、格安SIMで端末一括支払い、もしくは回線のみで契約を試してみましょう。それでも駄目だった場合は、デビットカードや口座振替が使える格安SIMで申し込んでみて下さい。
申し込み自体は何回試しても問題ありませんので、1つの格安SIMが審査に通らなかった場合も、他の格安SIMで申し込んでみたら審査に通る可能性もあります。
その他、格安SIMで審査NGになる理由は書類不備ということもかなり多いので、どうしても通らないという場合は以下の記事も併せて参考にして下さい。